「会社に電話番号を外出先で使える?」
「固定電話のままで問題ない?」
スマホ内線化は、スマートフォンを内線端末として使い、会社番号(03・06など)で発着信できる仕組みです。
しかし、方式ごとの違いや費用、通信品質、BYOD時のルール整備など、導入前に確認すべきポイントは多岐にわたります。
本記事では、スマホ内線化の仕組み・メリット・デメリット・費用相場・おすすめサービス・失敗しない選び方を、初心者にもわかりやすく体系的に解説します。
目次
▼この記事で紹介している商品
スマホ内線化とは?今注目される理由
スマホ内線化の基本|固定電話との違いは?
スマホ内線化は、 専用アプリを用いてスマートフォンを内線端末として機能させる仕組みで、会社の内線番号や外線番号(03・06など)をそのまま利用できます 。
音声はIPネットワーク(インターネット回線)で伝送されるため、従来の主装置(PBX)や専用配線に依存しません。
固定電話では席ごとの配線や増設工事が不可欠でしたが、スマホ内線化では端末単位で設定でき、拠点移動や席替えにも即時対応できます。
通話処理や設定管理はクラウド側で行われるため、機器老朽化による交換コストが不要となる点も固定電話との大きな相違点です。
従来のビジネスフォン運用で起きていた課題
従来のビジネスフォン運用には、次のような構造的課題がありました。
- 外出中の担当者が受電できず、折り返し対応が必須
- 代表電話担当者に取次ぎ負担が集中しやすい
- 席や装置に番号が固定され、在宅勤務に不向き
- レイアウト変更や増設時に配線工事が必要
- 複数拠点での統一運用が難しい
固定電話は「オフィス内の席に紐づく仕組み」であるため、外出や在宅勤務が増える現場では運用が破綻しやすく、対応遅延・負荷偏在・工事コストの発生といった非効率が常態化していました。
スマホ内線化は働き方改革とBCP対策に必須
スマホ内線化は、 場所に依存せず会社番号で発着信できる環境を提供 し、リモートワークや直行直帰を前提とした働き方を支える基盤となります。
特に移動の多い営業や現場スタッフでは、固定席への依存がなくなり、取り次ぎ負担や応対遅延を大幅に抑制することが可能です。
また、クラウドPBXを利用することで、災害や停電などでオフィスが使えない状況でも通話機能を維持でき、通話履歴や内線設定もクラウド上で保全されます。
物理設備の損傷に左右されないため、業務継続性と働き方の柔軟性を同時に高める手段として、企業のBCP対策に不可欠な選択肢となっています。
スマホ内線化の仕組みと導入方法
| 区分 | おすすめ クラウドPBX |
IP-PBX(オンプレ) | アダプタ接続型 (既設PBX連携) |
FMCサービス (キャリア連携) |
|---|---|---|---|---|
| 初期費用の目安 | 0〜10万円程度 | 30〜150万円以上(規模で増加) | 5〜40万円(アダプタ台数による) | 0〜数万円(端末設定費のみ) |
| 月額費用の目安 | 1IDあたり1,000〜5,000円 | 保守費用:月数万円〜 | 既存PBX保守+アダプタ利用料(月数千円〜) | 1回線あたり1,000〜3,000円(キャリア契約) |
| 工事要否 | 不要 | 必要(サーバー設置・LAN整備) | 必要(アダプタ接続工事) | 不要(キャリア側設定) |
| 音質の傾向 | ネット環境次第(Wi-Fi/5G推奨) | 安定(LAN内で完結) | PBX性能に依存 | 非常に安定(VoLTE) |
| セキュリティ | 中〜高(クラウド依存) | 高(閉域網・VPNで運用) | 中(PBXによる) | 高(キャリア網利用) |
| 必要な端末 | スマホ・PCにアプリ | スマホにアプリ | スマホにアプリ | 社用スマホ(アプリ不要) |
| 既存PBXの活用 | 不可(入替前提) | 一部連携可能 | 可(既存設備をそのまま使用) | 不可 |
| 特徴 | 導入が最も簡単、在宅・外出に最適 | セキュリティと制御性が高い | 既存設備の延命・段階移行に最適 | 高音質・アプリ不要・キャリア統合 |
| 向いている企業 | 中小企業・複数拠点 | 大企業・自治体・センター系 | 中堅〜大企業(設備を残したい場合) | 大企業・金融・医療など音質重視 |
クラウドPBXを使った方法(最も普及している形式)
クラウドPBXは、 電話交換機(PBX)をクラウド上に置く方式で、スマホやPCへ専用アプリを入れるだけで内線化できます 。
インターネットを経由して会社番号(03・06など)の発着信ができ、物理機器を使わず運用できる点が特徴です。
- 工事不要で短期間導入が可能
- スマホ・PCでどこからでも業務用通話ができる
- 初期費用が低く、運用規模を柔軟に調整できる
外出・リモート勤務が多い中小企業、複数拠点を持つ企業、コストを抑えて段階導入したい企業

内線・外線転送もすべて無料で通話料削減
CLOUD PHONEの詳細はこちらIP-PBXを利用する方法(オンプレ型・社内設置タイプ)
社内にPBXサーバーを設置し、LANやVPNを通じてスマホを安全に内線端末として登録する方式 です。
社内ネットワーク上で通話制御を行うため、クラウドPBXより細かな設定が可能です。
- セキュリティ性が高く、閉域網で通話が安定
- 経路制御・録音・分岐など細かなカスタマイズが可能
- 初期導入費と保守費用は比較的高め
情報セキュリティ要件が厳しい大企業、コールセンター、自治体・医療機関など
既存電話を活かすアダプタ接続型(既設PBX連携)
既存のPBXに専用アダプタ(VoIPゲートウェイ)を接続し、スマホを内線端末として利用する方式 です。
現在使用しているビジネスフォン環境を維持したまま、スマホ内線化を追加できます。
- 既存設備をそのまま活用でき、移行コストが低い
- 一部部署のみスマホ化するなど段階導入が可能
- PBXのメーカー・型番により、アダプタとの互換性確認が必須
ビジネスフォンを完全に入れ替えたくない企業、段階移行を進めたい中堅〜大企業
FMCサービスによるキャリア連携型(携帯網で内線化)
携帯キャリア(NTTドコモ・KDDI・ソフトバンク)のモバイル網を利用し、社用スマホを内線端末として動作させる方式 です。
専用アプリを使用せず、スマホの標準通話機能そのものが内線/外線に対応します。
- 通話料や契約の一元管理が容易
- キャリア網を利用するため、VoLTEによる高音質通話が可能
- キャリア側の閉域網設定やMDM連携が前提となるため、BYOD(個人スマホ利用)は非対応が多い
全社員に社用スマホを支給している大企業、金融・医療など音質や信頼性を最優先する業種
スマホ内線化におすすめのクラウドPBXアプリを比較
スマホ内線化におすすめのクラウドPBXアプリ比較表
| 項目 | CLOUD PHONE | Zoom Phone | IP-Line | トビラフォン Cloud | MOT/TEL | BIZTEL ビジネスフォン | VoiceX | クラコールPBX |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 提供元 | (株)Wiz | ZVC JAPAN(株) | (株)プロディライト | トビラシステムズ(株) | (株)バルテック | (株)リンク,ブライシス(株) | (株)コムスクエア | (株)三通テレコムサービス |
| 番号種別 | 0ABJ, 050, 0120/0800 | 0ABJ, 050, 0120/0800 | 0ABJ, 050, 0120/0800 | 050, 0ABJ(オプション) | 0ABJ, 050 | 0ABJ, 050, 0120/0800 | 0ABJ, 050 | 0ABJ, 050, 0120/0800 |
| 通話品質 | クラスA | 99.999% SLA保証 | クラスA(64kbps高音質) | クラスA相当 | クラスA(固定電話相当) | 高安定性(国内大手利用) | クラスA | 高信頼品質(要確認) |
| 初期費用 | 0円 | 0円 | 1,100~2,750円 | 3万3,000円(0ABJ工事5万5,000円) | 32,780円~ | 5万5,000円~ | 3万円~※税表記なし | 0円 |
| 月額料金 | 770円/ユーザー ・050:330円 ・市外局番:1,100円 ・0120:2,200円 |
1,980円~/ユーザー | 1,100円/2チャネル | 3,300円/2チャネル | 6,578円/20チャネル | 2万3,100円~ | 890円/ユーザー ※税表記なし |
1,078円/ユーザー(6人以降上限5,390円) |
| 導入スピード | 最短1週間 | 約1.5~2か月 | 最短1週間 | 約1~2週間 | 最短3営業日 | 約5営業日 | 約1週間 | 即日利用可(工事不要) |
| 主な通話料 | 要問い合わせ | 国内・47か国通話定額 | 固定:3分8.69円/携帯:1分16.5円 | 固定:3分8.8円/携帯:1分17.6円 | 固定:3分8.8円/携帯:1分17.6円 | 固定:3分8.8円/携帯:1分19.8円 | 固定:3分8円/携帯:1分18円(0ABJ)※税表記なし | 固定:3分8.8円/携帯:1分17.6円 |
| 主な機能 | 通話録音、IVR、SMS自動送信、モバイル内線化 | 通話録音、IVR、ビデオ会議切替、Teams連携 | 内線通話、IVR、通話録音、CRM連携、国際通話 | 迷惑電話フィルタ、AI文字起こし、IVR、要約機能 | 内線・転送・録音・自動精算、公私分計 | IVR、録音、音声テキスト化、セキュリティ管理 | 録音、AI解析、コンタクトセンター機能 | 録音、転送、保留、IVR |
| 導入実績 | 6,500社以上導入 | 700万件以上導入 | 全国34局エリア展開 | 利用企業多数(ブランド利用1,500万件) | 3万2,000社以上導入 | 2,000社超(国内No.1) | 500万番号以上発行 | 継続率99%以上 |
| 特徴/強み | PBX機器不要で導入コストを最小化。内線・録音・転送すべて無料。 | 定額無制限通話+会議連携。テレワーク・海外拠点にも最適。 | 90秒課金でコスト削減。全国34局の0ABJ対応。CRM連携「INNOVERA」で営業DX推進。 | 迷惑電話対策+AI要約を標準搭載。高セキュリティ設計。 | 公私分計/自動精算機能搭載。営業・現場スタッフに好評。 | 国内シェアNo.1。安定稼働と拡張性に優れ、BCP対応力が高い。 | AI音声解析+クラウド連携でサポート業務を自動化。 | 初期0円&利用上限設定。中小企業が導入しやすい低価格設計。 |
※価格はすべて税込表記です。



スマホ内線化アプリは無料でも利用には契約が必要
スマホ内線化で使用する専用アプリは、多くの場合App StoreやGoogle Playから無料でダウンロードできます。
ただし、アプリ単体では内線通話や会社番号での発着信は行えず、その機能を利用するにはクラウドPBXサービスとの契約が不可欠 です。
クラウドPBXは主装置を必要としない代わりに、利用者数や回線数に応じて月額料金が発生する体系が一般的で、初期費用は抑えられる一方、ユーザー数の増加とともにランニングコストが増える構造になっています。
無料アプリであっても、実際の機能は契約に紐づいて提供される点を理解しておくことが重要です。
スマホ内線化の主なメリット
- 社外でも会社番号で発着信できる
- 内線通話が無料化し通信費を削減
- 電話取次ぎや折り返し対応を効率化
社外でも会社番号で発着信できる
スマホの内線化によって、 外出先や在宅環境でも会社の固定電話番号(03・06など)で発着信でき、顧客側には常に会社番号が表示されます 。
担当者が私用番号を使う必要がなく、取引先に与える信頼感や一貫したブランド認知を維持できます。
特にBYOD環境では、アプリ経由の発信により私用番号が外部へ通知されず、業務領域と私生活の情報を明確に分離できます。
また、拠点や勤務場所が分散していても発信者番号を統一できるため、複数拠点を横断した均質な顧客対応体制を構築できます。
※BYOD(Bring Your Own Device)…社員が自分の私用スマホやPCを業務でも使う運用方式のこと
市外局番も050番号もカンタンに取得可能
CLOUD PHONEの詳細はこちら内線通話が無料化し通信費を削減
スマホ内線化では、 社員同士や距離の離れた拠点間の通話をすべて内線として扱えます 。
外出中の社員へ連絡するたびに外線通話料が発生していた従来の運用を見直せるほか、固定電話の転送サービスで生じていた転送料金も不要になります。
さらにクラウドPBXを採用すれば、主装置の購入・更新・保守が不要となり、設備更新費や設置スペースのコストといった間接的な運用負担も軽減可能です。
電話取次ぎや折り返し対応を効率化
スマホ内線化を導入すると、 オフィス宛の着信を担当者のスマートフォンへ直接内線転送できるため、「受電後にいったん切り、折り返す」という従来の手間をなくせます 。
これにより、担当者不在による応対遅延が減少し、顧客を待たせる時間を大幅に短縮可能です。
加えて、クラウドPBXとIVR(自動音声応答)を併用すれば、問い合わせ内容に応じて営業・サポートなど適切な担当へ自動振り分けが可能となり、代表電話に集中していた一次対応の負荷も軽減できます。
結果として、応対スピードの改善と誤転送の防止が実現し、業務フロー全体の効率向上につながります。
営業・コールセンター・介護業界での活用例と効果
| 業界 | 営業 (外勤・フィールドセールス) |
コールセンター・サポート窓口 | 介護・医療・現場 (施設・訪問系) |
|---|---|---|---|
| 活用 効果 |
|
|
|
スマホ内線化のデメリットとリスク対策
- 音質が通信環境に依存し、音声トラブルが発生しやすい
- BYOD利用ではセキュリティリスクが増大
- 個人負担の通信費や公私混同が発生しやすい
- 企業のBCP・セキュリティポリシーと不整合が生じる場合がある
通信品質を安定させるWi-Fi環境とルーター設定
スマホ内線化では、 通話がIPネットワーク上で処理されるため、通信環境の影響を受けやすい点が避けられません 。
特に2.4GHz帯は混雑しやすく遅延が生じやすいため、5GHz帯Wi-Fiや有線LANの併用が望まれます。
あわせて、ルーター側でQoS(Quality of Service)を設定し、音声パケットを優先的に通過させることで、通話の安定性が大きく向上します。
端末側でも、省電力モードの解除やバックグラウンド制限の緩和など、通話アプリが中断されない設定を整えておくことが不可欠です。
BYOD時のセキュリティ対策(MDM・遠隔ワイプ)
BYODで内線化を行う場合、端末管理が企業側で統一できず、情報漏洩リスクが大きくなります 。
このため、MDM(モバイルデバイス管理)を利用し、業務領域と私用領域を明確に分離することが必要です。
MDMを通じて、パスコード設定、端末暗号化、生体認証の必須化などを一元管理できます。
また、紛失や盗難が発生した場合に備え、遠隔ワイプ機能で業務データのみを削除できる仕組みを導入しておくことが重要です。
個人スマホ利用時の通信費・公私混同のルール作り
Wi-Fiが利用できない場所ではモバイルデータ回線に依存するため、 BYODの場合、業務利用分の通信費が社員負担となる可能性があります 。
トラブルを避けるため、会社負担ルールやデータ量に応じた手当制度(例:1GBあたりの補助額設定)をあらかじめ明文化する必要があります。
また、公私の区別を保つためには、業務時間外の着信は留守番電話や不在設定へ切り替えるなど、運用ルールを整備することが重要です。
さらに、内線アプリのログイン・ログアウトを勤務時間管理と連動させることで、過剰な対応負担を防げます。
-
実用ガイドライン例:BYOD運用時の通信費・公私混同対策
-
区分 ガイドライン内容 運用ポイント(実務的) 通信費負担 業務利用に伴うモバイルデータ通信費は会社が補助する。例:1GBあたり1,000円、月上限5GB 内線アプリの通信量レポートやキャリア明細を証憑とする。/データ消費が多い部署はポケットWi-Fi貸与も検討。 業務時間外の着信対応 業務時間外は内線アプリをログアウト、または「留守番電話」「不在応答」に自動切替。/対応可能時間帯を規程化。 夜間・休日は当番制(ローテーション)により負担分散。/急ぎの案件はIVR経由で担当部署へ自動振り分けを設定。 公私混同防止 業務時間外の着信は原則対応不要。/内線アプリの通知は勤務時間と連動させる。 チャット通知やプレゼンス(在席状況)の自動変更と併用すると効果的。 MDM(端末管理) MDMで業務領域のみを管理し、私用情報にはアクセスしない。/紛失時は業務データのみ「遠隔ワイプ」。 アップデートやアプリ配布はMDM経由で統一管理。/端末全消去は本人同意を前提とする。 労務・情報管理ルール 就業規則に「BYOD利用は業務時間内に限定」と明記。/緊急連絡は別途社内ルール(当番表)で管理。 業務開始・終了と内線アプリのログイン/ログアウトを連動させると効果的。 導入前のチェック項目 データ補助ルールの明文化/業務時間外の着信対応ルールの策定/MDM導入範囲の決定/トライアル期間中の通信量・着信状況の計測 試験導入(2〜4週間)で通信量・音質・勤務外着信の実態を把握し、制度設計に反映。
BCP・セキュリティポリシーとの整合性をチェック
スマホ内線化を導入する際は、 利便性だけでなく、企業のBCPおよびセキュリティポリシーと整合するかを事前に確認する必要があります 。
クラウドPBXによっては、110番・119番などの緊急通報が利用できないサービスもあり、災害時の代替手段をあらかじめ確保しておくことが重要です。
また、社外利用が増える分、情報管理ルールの再整理やセキュリティ研修の実施を行い、社員のリスク認識を統一しておくことが求められます。
専門チームが導入から運用まで徹底サポート
CLOUD PHONEの詳細はこちらスマホ内線化の費用相場とコスト削減のポイント
クラウドPBXとIP-PBXのコスト構造の違い
クラウドPBXは、PBX機能をクラウド上で提供するため、物理的な主装置や配線工事が不要で、初期費用を最小限に抑えられます。
保守・アップデートも事業者側で実施されるため、社内のIT担当者が専用スキルを持たずとも運用できる点が大きな特徴です。
一方、 IP-PBX(オンプレ型)は、PBXサーバー・電話機・ネットワーク工事などの初期投資が避けられず、導入時の負担が大きくなります 。
また、月額費用は少ないものの、機器更新・故障対応・保守契約といった長期的な負担が積み重なるため、10年単位ではクラウドPBXとの差が明確に表れます。
初期費用・月額費用の平均相場(30名規模)
30名規模を前提とした場合、 IP-PBXの初期費用は30万〜120万円が一般的で、主装置のグレードによっては数百万円に達するケースも あります。
クラウドPBXは機器不要のため、初期費用は0〜10万円程度に収まり、導入期間も短縮できます。
月額費用はIP-PBXがほぼゼロである一方、クラウドPBXは1アカウント1,000〜5,000円が相場です。
ただし、BYOD運用を組み合わせれば端末購入費が不要となるため、全体コストを大きく圧縮できます。

アプリ利用料・通話料など隠れコストに注意
基本料金とは別に、アプリ関連の追加費用や外線通話料が発生する点には注意が必要です。
IVR、全通話録音、モニタリングなどの高度機能は、月額2,000〜5,000円のオプション料金がかかる ことがあります。
また、内線通話は無料化されるものの、外線発信は従量課金が基本であり、国際通話やフリーコールへの発信が多い企業では、料金体系の確認が欠かせません。
BYOD運用の場合は、社員のモバイルデータ通信費をどこまで会社負担とするかが重要となり、1GBあたりの補助額や上限の設定など、明確なルール策定が求められます。
【チェックリスト】コストを抑える3つのポイント
- BYODの活用:社用端末の購入・維持コストを削減できているか
- 固定電話の適正化:利用頻度の低い電話機を減らし、IP電話機の購入数を抑えられるか
- ツール費用の統合:Web会議やチャット機能をクラウドPBXに集約し、重複コストを解消できているか
スマホ内線化のコスト最適化には、端末・設備・ツールの三方向から見直すことが重要です。
まず、BYODを取り入れれば、社用スマホの購入・管理にかかるコストを削減できます。
次に、現在利用している固定電話の「利用実態」を棚卸しします。来客対応が中心の受付や、ほとんど使用されない会議室など、通話頻度の低い場所に固定電話が残っているケースも少なくありません。
こうした箇所はスマホ内線化で代替すれば、IP電話機の新規購入や設置コストを抑えられます。
さらに、クラウドPBXに付随するWeb会議・チャット機能を活用することで、従来の別ツールを統合でき、コミュニケーションコスト全体の最適化につながります。
直観的なUIで設定・管理が自分でできる
CLOUD PHONEの詳細はこちら失敗しないスマホ内線化サービスの選び方
- 既存PBXの有無に合わせた導入方式を見極める
- 初期費用とランニングコストを利用規模別に比較する
- 通信品質・サポート体制・トライアルの有無を確認する
- ビジネスに必要な付帯機能と外部連携性を確認する
既存PBXの有無に合わせた導入方式を見極める
スマホ内線化は、現在の電話システムを活かすか刷新するかで選択すべき方式が異なります 。
オンプレミスPBXを利用中の企業では、専用アダプタ(VoIPゲートウェイ)を追加することで、既存の構成を保ちつつスマホを内線化できます。
ただし、PBXの型番や世代によって適合性が変わるため、事前の互換性確認が必須です。
新規導入や全面リプレースを想定する場合は、主装置が不要で短期間で構築できるクラウドPBXが有効で、将来的な拠点追加や人数変動にも柔軟に対応します。

初期費用とランニングコストを利用規模別に比較する
スマホ内線化の費用は、ユーザー数・拠点数・端末の運用方針によって大きく変動します 。
クラウドPBXは初期費用が0〜10万円と低く、少人数の運用に適していますが、1アカウントあたり1,000〜5,000円の月額課金がかかり、人数が増えるほどランニングコストが増えていきます。
一方、IP-PBX(オンプレ型)は30名規模で30万〜120万円の初期投資が必要ですが、月額費用はほぼゼロのため、長期利用ではトータルコストが下がるケースも少なくありません。
また、BYODを採用すれば端末購入費を抑えられ、初期費用の圧縮にもつながります。
通信品質・サポート体制・トライアルの有無を確認する
クラウドPBXやIP-PBXはIP回線で通話するため、ネットワーク品質が音質に直接影響します 。
特に2.4GHz帯Wi-Fiや混雑したネットワークでは音切れが発生しやすく、導入前に無料トライアルで社内環境に適合するかを検証することが不可欠です。
また、導入後の障害対応や設定変更を誰が担うのかも重要な評価軸です。QoS設定の最適化支援やトラブル初期対応に対応できる事業者であれば、運用リスクを大きく軽減できます。
ビジネスに必要な付帯機能と外部連携性を確認する
スマホ内線化サービスは、通話機能だけでなく業務効率を左右する付帯機能の充実度が重要 です。
IVRによる着信振り分け、全通話録音、プレゼンス管理、Web会議・チャットなど、クラウドPBXには多様な業務支援機能が備わっています。
さらに、API連携を提供するサービスであれば、CRMと連携して着信と同時に顧客情報を表示するなど、営業・サポート業務の品質を高める運用が可能です。
既存ツールとの重複や置き換え可能性まで比較することで、システム全体の最適化を図れます。
まとめ
スマホ内線化は、固定電話に依存した従来の運用課題を改善し、場所を問わず会社番号で応対できる柔軟な通話環境を実現します。
クラウドPBXを中心に、アダプタ接続型・IP-PBX・FMCなど複数の方式が選択でき、企業の規模や既存設備に応じた最適な導入が可能です。
一方で、通信品質の確保やBYOD時のルール整備など、運用面の対策も欠かせません。
費用構造や必要機能を比較し、自社の働き方とBCPに合った方式を選ぶことで、継続性と効率性を両立した電話基盤を構築できます。
最短1週間で利用開始、電話番号は即日決定
CLOUD PHONEの詳細はこちら
この記事を書いたライター
Wiz Cloud編集部
WizCloud編集部メンバーが執筆・更新しています。 Web関連、デジタル関連の最新情報から、店舗やオフィスの問題解決に使えるノウハウまでわかりやすくご紹介します!