電力供給約款とその重要ポイント
高圧電力の契約を結ぶとき、必ず確認が必要になるのが「電力供給約款(やっかん)」です。
約款とは、電力会社と契約者の間で取り交わす「ルールブック」のようなもので、料金の計算方法や供給条件、トラブル時の対応が細かく定められています。
内容をよく理解せずに契約してしまうと、思わぬコスト増や不利益を被る可能性があるため、押さえるべきポイントを整理しておきましょう。
電力供給約款とは?
- 電力会社が定める契約条件をまとめた規約のこと
- 料金設定・供給条件・契約解除・責任範囲などが記載されている
- 電気事業法に基づき、電力会社ごとに公表されている(一般公開資料)
例えるなら「電気を使うための利用規約」。スマホの通信契約のように、電力会社ごとに細かく定められたルールです。
確認すべき主要ポイント
高圧契約を結ぶ際は、以下のようなポイントを確認しましょう。
| 項目 | 内容 | 確認すべきポイント |
|---|---|---|
| 料金体系 | 基本料金・従量料金・力率割引など | 料金がどう計算されるか。自社の使用量に適しているか。 |
| 契約電力 | 契約時に決める最大需要電力 | 実態に合わないと、基本料金が割高になる可能性。 |
| 力率割引・割増 | 力率が基準値(85%以上)かどうかで料金が変動 | 空調・モーター設備の効率改善でコスト削減が可能。 |
| 契約期間と解約条件 | 契約年数・更新・解約時の違約金 | 他社切り替えの障壁にならないか要確認。 |
| 供給停止条件 | 未払い・事故・天災などの場合の取り扱い | 緊急時の復旧対応や責任範囲を確認。 |
経営者・担当者が注意すべき落とし穴
- 契約電力を大きめに設定しすぎると、基本料金が高止まり
- 力率の改善を怠ると割増料金が発生
- 契約期間中の切り替え制限や違約金が、コスト削減の妨げになることも
約款は細かい文章が多いですが、「料金」「契約期間」「解約条件」の3点は必ずチェックしてください。
