医療ツーリズムってなに?メリットや周辺地域のインバウンド対策に注目

高度な医療技術や環境を求めて、海外から患者が訪れる医療ツーリズム。この医療ツーリズムが盛り上がることで、医療分野の向上だけでなく、周辺地域の経済メリットもあるのです。今回はこの医療ツーリズムに焦点をあてて、ご紹介していきます。

医療ツーリズムをわかりやすく解説

医療ツーリズム=医療と観光をセットとして考える旅行や観光を指します。自国の医療では賄えない医療を受けるために、先進医療を行なっている国やより高度な医療技術を求めて海外へ赴くこと、それに伴って行う観光ですね。

医療ツーリズムの対象になる医療は、病気や怪我に対する治療だけでなく、歯科領域や美容整形なども含まれます。例えば美容整形で注目されている韓国へ趣き、施術とともに韓国で観光やショッピングを行う場合も医療ツーリズムに当てはまるでしょう。

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医療ツーリストの目的

海外での医療を求める人を「医療ツーリスト」と呼びますが、その目的として代表的なものは、先進的な医療や検診を受けること、自国では困難な治療、医療費を抑える、治療までの待ち時間の短縮などが挙げられるでしょう。

特に医療が発展していない国の富裕層が、高度な医療技術を求めて海外に赴くということが増加しているようです。日本の高度な検診技術を目的に海外の富裕層が訪れる場合もあるでしょう。

また、特にアメリカを代表として、自国の医療費が高い場合や治療までに長い時間を要するなどの場合も、その解決のために海外ですぐに対応してもらうという動きもあるようです。

※医療の分野によっても異なります。

 

医療ツーリズムの市場規模

日本政策都市銀行が発表しているデータによると、日本における2020年の医療ツーリズムの市場規模は以下の通りです。

2020年の医療ツーリスト:43万人

実現した際の医療ツーリズム市場規模:5,500億円

実現した際の経済効果:2,800億円

特に注目が市場規模。日本では訪日外国人の目標を2020年4000万人、消費額を8兆円としています。その中で医療ツーリズムによる消費額を拡大していくことも重要視されているでしょう。

(参考資料)
”進む医療の国際化~医療ツーリズムの動向~” 日本政策都市銀行
”明日の日本を支える 観光ビジョン” 観光庁

医療ツーリズムが注目されている

近年、この医療ツーリズムが諸外国の中でも注目されていて、各国の得意分野における医療ツーリズムへの対策が行われています。日本においても2010年頃から、その動きが本格化しており、各省庁で専門チームや研究会などが発足してきました。

周辺地域のインバウンド対策

医療ツーリストを受け入れる病院の周辺地域では、外国人観光客の対策を強化しています。周辺地域での飲食店や小売店では外国語表記対応を取るなど、医療ツーリズムを意識した対応を行なっている店舗等も見受けらます。

JCIの認証

医療ツーリズムで特に注目されるのは、その分野で特に高度な技術や安全性が遵守されている施設。その基準として、JCI(国際医療機関評価機構)が認証する施設かどうかという点が注目されやすいです。非常に厳しい基準により医療施設を評価するこの機構によって認証された場合、JCI認証として医療ツーリズムにおいても海外に向けて訴求できるでしょう。
日本では現在このJCI認証を受けている医療施設は28施設(2020年2月時点)となっています。

(参考データ:”国別認定施設数”JCI公式サイト)

医療用滞在ビザ

外国人が医療ツーリズムのために日本へ訪日しやすいために、2011年「医療滞在ビザ」が登場。この医療滞在ビザの出現で、最長6ヶ月もしくは1年間(病態による)、3年以内の入国可能(制限なし)など、医療を受けるために日本へ訪れることがやりやすくなりました。医療用の滞在ビザは、検診から美容整形、歯科治療まで幅広い医療の対象としています。
 

》【インバウンド集客】外国人観光客回復に向けて飲食店が行っておくべき対策
 

医療ツーリズム向けのインバウンド対策のメリット

医療ツーリストの消費額

医療ツーリストは、医療を受ける目的のために長期滞在の可能性があり、海外で医療を受けるという行動そのものが富裕層とされています。そのため、消費額も高額になると見込めるでしょう。周辺地域の観光の際にも、通常の訪日外国人よりも単価が高くなる可能性もありますね。

医療施設の環境向上に繋がる

医療ツーリズムで訪れる訪日外国人は、健康保険ではなく自費で治療を受けることになるため、医療費として病院に支払われる金額も高くなります。その金額を、設備投資など医療の向上に回すことで、さらなる医療現場のレベル向上にも繋がるはずです。

長期滞在の傾向

医療ツーリズムでは、治療を受けるために訪れているため、滞在期間も長くなる傾向があるでしょう。医療用滞在ビザでは、通常の診療の場合は最長90日、入院を前提とした場合は最長半年もしくは1年間とされています。海外の富裕層が、長く日本に滞在すればするほど、日本にとっても消費額が拡大するためメリットとなるでしょう。

 

まとめ

今回は医療を目的とした海外渡航の医療ツーリズムについてご紹介しました。

日本においてもこの医療ツーリズムを成長させることで、様々なメリットがあります。この医療ツーリズムが成長する中で、周辺地域のインバウンド対策や観光対策もさらに必要になってくるでしょう。

 

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