「インバウンド対策の成功事例はある?」
新型コロナウイルス対策による入国制限緩和以降、日本を訪れる外国人観光客が増加しています。
しかし、インバウンド需要の回復に対応しきれておらず、集客対策に悩んでいる事業者の方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、訪日外国人観光客を増やすための集客施策や具体的なインバウンド対策事例などを紹介します!
目次
▼この記事で紹介している商品
訪日外国人観光客の増加とその背景

コロナ渦を経て、2022年10月の入国制限緩和以降、 日本を訪れる外国人観光客が増加しています 。
日本の観光スポットや文化体験に対する外国人からの関心も再び高まり、各地で訪日旅行者の姿を見かける機会が増えました。
政府は2030年までに訪日外国人を6,000万人に増やす目標を掲げ、受入環境整備の補助金も実施しています。
しかし、人材不足などから対応が難しい企業も多く、インバウンド戦略の強化が求められています。
インバウンドの推移

パンデミックの影響で、2022年9月頃までは訪日外国人数が伸び悩んでいましたが、同年の暮れ頃からは徐々にインバウンドが増え始め、買い物や旅行需要も回復の兆しを見せました。
2023年以降も訪日外国人観光客の増加傾向が続いた結果 、同年12月には273万4,115人が訪れました。
このように、2023年から2024年にかけてインバウンド需要は急速に回復し、2025年1月の最新データではコロナ前の水準を超え、完全な回復が確認されています。
2025年 最新のインバウンド増加データ

観光庁のデータによると、2024年12月の訪日外国人数は、2023年同月の数値を上回りました。
日本からの出国者数も、2023年同月を上回っていますが、訪日外国人数ほど多くありません。
円安の影響でますます訪日外国人数が増えると考えられるため、 店舗の集客においてインバウンド需要の重要性が高まっていることは間違いありません 。
インバウンド集客が重要視される理由
外国人観光客の消費意識の高さ
外国人観光客は、日本人に比べて商品購入やサービス利用の頻度が高い傾向があります。
さらに、 円安の影響で日本の物価が割安に感じられる ことから、消費額も増えやすく、インバウンド市場の重要性がますます高まっています。
国策として外国人の受け入れ(インバウンド回復戦略)を促進している
日本政府(観光庁)は 「2030年までに訪日外国人観光客を6,000万人に増やす」目標を掲げ 、インバウンドの拡大を推進しています。
そのため、今後も外国人観光客の増加が見込まれ、国内客だけでなく、インバウンド客を意識した集客戦略の重要性が高まっています。
オンラインでの情報発信が鍵
近年、外国人観光客の多くは、主にインターネットを使って旅行情報を入手しています。
観光庁の「訪日外国人の消費動向2023年年次報告」によると、旅行前に役立った情報源として「動画サイト」(35.2%)、「SNS」(32.5%)、「個人ブログ」(27.4%)が挙げられています。
旅行者はリアルな情報を求め、ネットを活用して計画を立てる傾向が強く、 インバウンド集客にはオンラインでの情報発信が欠かせません 。
訪日外国人観光客の集客がうまくいかない原因と解決策

そもそも需要が少ない
訪日外国人観光客の集客がうまくいかない原因に、そもそもサービスや商品の需要が少ない可能性が挙げられます。
対策を講じても、外国人観光客が魅力を感じなければ効果は期待できません。 観光客は、その土地ならではの体験や特別なメニューに惹かれる傾向があります 。
地元では人気でも、外国人観光客にとって特別感がなければ選ばれにくいため、需要を分析し、魅力的な商品やサービスを提供することが重要です。
独自性の創出が難しい
訪日外国人観光客の集客がうまくいかない原因に、魅力的かつ独自性のある価値提供が難しいことも挙げられます。
例えば、その土地ならではの体験や特別なメニューを提供しても、 すでに近隣店舗で同じようなサービスが提供されていれば差別化しにくく、外国人観光客に選んでもらえません 。
外国人観光客に選ばれるお店にするためにも、自店舗ならではの付加価値を創出し、サービスに+αの工夫をして魅力的なプランを作成することが大切です。
例えば、「浴衣レンタル着付けサービスに、30分の人力車乗車オプションを付ける」などの施策が効果的です。
ターゲット層や競合の分析が十分でない
訪日外国人観光客の集客がうまくいかない原因に、ターゲット層や競合分析が不十分であることが挙げられます。
集客施策を効果的に打ち出すためには、 明確なターゲット設定と競合の状況把握が必要 です。
他の店舗と同じことをしているだけでは、自店舗の独自の魅力を伝えられないため、ターゲット層や競合の分析をしっかり行うことが重要です。
ターゲット層に対して適切な施策を行っていない
ターゲット層に対して適切な施策が行われていない場合も、訪日外国人観光客の集客がうまくいきずらくなります。
集客効果を高めるには、ターゲット層の情報収集方法や好みを正確に理解し、そのニーズに合った施策を展開することが重要 です。
具体的には、「海外でメジャーなSNS媒体を使う」「日本語だけでなく多国語で情報発信をする」「外国人が苦手意識を持ちにくい食材を使ってメニューをアレンジする」といった取り組みが求められます。
言語や文化の違いを乗り越えたコミュニケーションが難しい
訪日外国人観光客の集客がうまくいかない原因に、言語や文化の違いによるコミュニケーションの難しさがあります。
対策として、 多言語対応のスタッフ配置や、翻訳アプリ・通訳サービスの活用がおすすめ です。
さらに、多言語パンフレットやQRコードを活用した情報提供も行い、観光客がスムーズに必要な情報を得られる環境に整えることが重要です。
オーバーツーリズム(過剰観光)問題
訪日外国人観光客の集客がうまくいかない原因に、オーバーツーリズムの問題があります。
特定の観光地に人が集中しすぎると、過剰な混雑によって十分に観光できなかったり、サービスが行き届かなかったりすることで、個々の満足度が低下してしまいます。
解決策として、 観光客の分散を促す新たな観光スポットの開発 や、 長期滞在を促す魅力的な体験プログラムの提供 が有効です。

編集部
観光地に人が集中しすぎると、地域住民の生活への影響や観光資源の劣化も懸念されます。
訪日外国人観光客を増やすためには?

訪日外国人観光客を増やすためには、 まず店舗の認知度を高めることが重要 です。お店を知られなければ、来店や問い合わせにも繋がりません。
SNSでの情報発信や旅行者向け掲載サービスの活用、店舗周辺でのチラシ配布などで認知度を向上させ、その後は口コミやSNSでの拡散を狙います。
特に飲食店では、看板メニューがSNSで広まることで知名度が急増する可能性もあります。
多言語対応やキャッシュレス決済の導入で顧客満足度を高め、訪日外国人の口コミを促進しましょう。
訪日外国人観光客の情報収集方法

外国人観光客が日本へ観光に訪れるときに使用した媒体やサイトとしては以下が挙げられます。
情報収集の手段としては、主にインターネットが利用されています。
特に若い世代の外国人観光客は、旅行先や観光地に関する情報をSNSや動画プラットフォームで調べることが一般的です。
そのため、 SNSの多言語対応やWeb上の情報を最適化しておくことが非常に重要 です。
訪日外国人観光客を増やすための集客施策12選

SNSアカウントの運用
SNSは訪日外国人観光客にとって重要な情報源であり、積極的な運用が集客施策として有効です。
Facebook、Instagram、Twitterなどで、 観光地の美しい写真や現地の食文化、特産品、イベントなどを投稿し、視覚的にアピールできます 。
また、ユーザーからのコメントや質問に迅速に対応し、インタラクティブなコミュニケーションを図ることで、観光地への興味を高め、訪日外国人観光客を増加させることができます。
インフルエンサーの活用
インフルエンサーを活用することで、影響力を活かした集客が期待できます。
例えば、インフルエンサーのSNSアカウントで情報を発信してもらったり、自社のキャンペーン動画に出演してもらったりする方法があります。
ただし、効果的な集客を実現するためには、 ターゲットとする年齢層に人気なインフルエンサーを選ぶことが重要 です。
Googleマップ(Googleビジネスプロフィール)の活用
訪日外国人観光客の集客においては、Googleマップを活用したMEO対策も効果的です。
Googleはグローバルな検索エンジン市場で約9割のシェアを占めており、 特に訪日外国人観光客は店舗探しをする際、Googleマップを頻繁に使用します 。
Googleビジネスプロフィールに、営業時間や料金、アクセス方法など、店舗情報を正確に掲載し、訪問のハードルを下げましょう。
MEO対策とは?
MEO対策とは、 Google検索やGoogleマップで店舗情報を上位に表示させるための施策 です。主なMEO対策方法は以下の通りです。
Googleマップで上位表示されると来客数が増え、さらに好意的な口コミが集まりやすくなるという好循環が生まれます。
一方、否定的な口コミも拡散されやすいため、マイナスな意見があった場合は迅速に対応し、問題点の改善を行うことが重要です。
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【わかりやすく解説】MEO対策とは?具体的な方法から上位表示のコツまで徹底網羅! MEOツールのおすすめサービスを比較!メリットや選び方、費用を解説 Googleの口コミは削除できない?ひどい口コミを無くす対策を徹底解説!自社のWebサイトやブログの活用
自社のWebサイトやブログを運用することで、訪日外国人観光客の集客に繋げることができます。
特に、 SNSでは伝えきれない詳細な情報を発信でき、多言語対応も自由に行える点が強み です。
観光スポットやアクティビティ、地元や季節ごとのイベントに関する情報を充実させ、SEO対策を行って検索結果に表示されやすくすることで、効果的な集客に繋がります。
SEO対策とは?
SEO対策とは、 WebサイトをGoogleなどの検索エンジンで上位表示させるための施策 です。
訪日外国人観光客の多くは、検索エンジンを利用して情報を集めることが多いため、SEO対策を施すことでターゲットに認知される可能性を高められます。
口コミサイトへの掲載
多くの外国人観光客はグルメサイトや旅行サイトなどの口コミサイトを参考にしており、代表的なものに「トリップアドバイザー」や「大衆点評」「fliggy」などがあります。
施設や店舗を運営する事業者は、基本的に無料で登録でき、訪問客に口コミを投稿してもらうことができます 。
なお、口コミ投稿を促すためにキャッシュバックや割引サービスを提供するのもおすすめです。
ただし、口コミ内容を操作することはできないため、良い評価を得るためには、訪日外国人観光客に満足してもらえるサービス提供が重要です。
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トリップアドバイザーとは?評判は最悪?掲載料や登録方法を解説 【トリップアドバイザー】飲食店の多くが登録するワケを解説! トラベラーズチョイスとは?トリップアドバイザーの特徴や登録メリットを解説外国人観光客向けのポータルサイトへの掲載
訪日外国人観光客の集客方法として、外国人向けの観光情報ポータルサイト・アプリへの情報提供や広告掲載がおすすめです。
特に、ExpediaやAgodaなどの オンライン旅行予約サイトは集客力があり、幅広いターゲットに情報を発信できます 。
多くのオンライン旅行予約サイトは、登録無料で予約が入ると手数料が発生する仕組みなので、費用対効果を考慮して活用しましょう。
多言語対応
英語や中国語、韓国語などの主要な言語に対応し、看板やメニューを多言語化する ことで、訪日客が事前に情報を入手しやすい環境の整備と、滞在中のストレスを軽減できます。
また、スタッフの言語スキル向上や、多言語対応のWebサイト・アプリ提供も効果的です。
これにより、訪日客の利便性と顧客満足度を高め、安心して利用できるお店として口コミで拡散してもらいやすくなります。
キャッシュレス決済の導入
訪日外国人観光客の中には、日本でクレジットカードが使えないことに困る人が多くいます。
現金を持ち歩きたくない、または両替を避けたいと考える人が増えており、特にキャッシュレス化が進んでいる国から訪れる人々は、支払い方法の選択肢が限られていると不便に感じます。
そのため、 導入しないと収益機会の損失や口コミでの評価低下を招く恐れもあり、QRコード決済やクレジットカードへの対応は必須 といえます。
AIチャットボットの導入
訪日外国人観光客向けにAIチャットボットを導入する事例が増加しています。
AIチャットボットは、 データやログを元に自己学習し、リアルタイムで質問に対応するプログラム です。
観光業界では、予約対応や観光案内、翻訳などに活用され、顧客満足度を向上させる効果があります。
店舗にとっては、労働力不足の解消や業務効率化に役立ちます。

編集部
また、AIチャットボットに蓄積されたデータは、マーケティングや業務改善に活用可能です!
無料Wi-Fiの設置
店舗で無料Wi-Fiを提供することは、 訪日外国人観光客に快適なインターネット環境を提供し、店舗の魅力を高める重要な施策 です。
外国人観光客は、無料Wi-Fiが普及している国から来るため、整備が進んでいない日本のWi-Fi環境に不満を感じるケースも少なくありません。
そのため、Wi-Fiスポットを設置するのはもちろん、接続方法を分かりやすく案内することで、満足度向上と集客に繋がります。
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店舗や飲食店におすすめのWiFiは?メリットや導入手順も徹底解説! フリーWi-Fiで飲食店の集客力アップ!メリット・デメリットから注意点まで徹底解説! 店舗Wi-Fiを改善する方法!速度が遅い原因と対処法は?ゴミ箱の整備
訪日外国人観光客の増加に伴い、観光地でのゴミ問題が注目されています。特に、ゴミ箱の少なさが大きな要因として取り上げられているため、設置の拡充が急がれます。
しかし、この問題においては、単にゴミ箱を増やすだけではなく、処理費用も考慮する必要があります。
そこで、 ICTを活用したスマートゴミ箱が注目されています 。例えば、大阪の道頓堀では、ゴミの蓄積状況をリアルタイムで把握し、ゴミの圧縮機能で回収頻度を減らすシステムが導入されています。
ゴミ箱が整備されることで、観光客はより快適に旅行を楽しめるほか、地域の環境保全にも繋がります。
海外SMS送信サービス
訪日外国人観光客への集客施策として、海外SMS送信サービスを活用する方法があります。
特に、韓国、中国、台湾、香港など東アジア圏に強い影響を持つSMSは、 開封率が80%以上と高く、メールよりも遥かに効果的 です。
再来日を促すツアー情報や季節の観光情報をSMSで送ることで、顧客の関心を引きやすくなります。
近隣施設や店舗との連携
ホテルや旅館が近隣施設や店舗と連携することで、周辺地域全体において観光地としての魅力が高まり 、訪日外国人観光客に選ばれやすくなります。
例えば、近隣の飲食店と共同で飲食ツアープランを提供したり、自社サイトで地域の観光情報を発信したりすることが効果的です。
このように、近隣施設や店舗との連携により、訪日外国人に魅力的な体験を提供でき、リピーターを獲得することが可能となります。
訪日外国人観光客を増やす取り組みの成功例

ホテル・宿泊施設の成功事例
「東京ステーションホテル」では、 英語や中国語に対応したチャットボットを導入 しました。
客室や施設の問い合わせ、観光情報の案内、飲食店予約などを24時間365日リアルタイムで対応しています。
これにより、スタッフの負担を軽減しながら、宿泊者の利便性と満足度の向上を実現しています。
▶参照:訪日外国人向けAIコンシェルジュ「Bebot」東京ステーションホテルに導入 | 株式会社ビースポークのプレスリリース
飲食店の成功事例
渋谷のしゃぶしゃぶ・すき焼き専門店「鍋ぞう」は、2020年の「外国人に人気の日本のレストラン」第1位に選出されました。
外国語対応スタッフの配置や、多言語表記のメニューを導入する ことで、言葉の壁を解消し、外国人観光客が利用しやすい環境を整えられています。
さらに、SNSや口コミサイトを活用した集客施策も評価されています。
▶参照:【モーパラ・鍋ぞう】インバウンド対策結果 トリップアドバイザー新宿エリア カジュアル部門1位・2位獲得 | 株式会社ワンダーテーブルのプレスリリース
オリジナル体験型サービスの成功事例
大阪の「KIMONO TEA CEREMONY MAIKOYA」では、 英語対応スタッフの解説を聞きながら茶道を体験 できます。
さらに、和菓子作りや書道、日本料理など多彩な体験を提供し、訪日客から高い評価を得ています。
茶道や着物レンタル、工芸品作りなどのオリジナルの体験型サービスは、異文化交流を促し、訪日外国人の満足度向上を実現できます。
▶参照:インバウンド人気体験・ツアー16位「MAIKOYA KYOTO」の人気の理由・インバウンド対策とは | 訪日ラボ
ヘアサロンの成功事例
「SHINKA」は、英語対応の接客が可能なヘアサロンです。
英語を話せる日本人スタッフを採用し、 メンバーシップカードやコミュニケーションツールも英語対応することで、訪日外国人のニーズに応えています 。
単なる商品販売ではなく、サービス体験を重視し、外国人客の予約を獲得しています。
▶参照:スタッフ全員が英語を話すインバウンド美容室 - 観光経済新聞
クリニックの成功事例
「Tokyo Station International Clinic」は、外国人診療に特化したクリニックです。
英語の公式サイトを開設し、英語・中国語対応が可能なスタッフを配置する ことで、訪日外国人が利用しやすい環境を整えています。
さらに、キャッシュレス決済やリアルタイム待ち時間表示、交通系ICカードを診察券として利用できるシステムを導入し、利便性と満足度を向上しています。
スーパーマーケットの成功事例
「イオンモール成田」では、 訪日外国人向けに免税カウンターを設置し、中国語・英語での手続きに対応 しています。
さらに、外貨両替機の導入やスタッフ向けの外国人対応研修を実施し、利便性を向上させています。
訪日客向けのショッピングサービスサイトも運営し、買い物をサポートするなど、外国人観光客が利用しやすい環境を整えています。
▶参照:イオンリテール、インバウンド対応のため 訪日客向けサイトを WOVN で5言語対応 - WOVN.io BLOG
広告戦略の成功事例
京都の丹後地方にある宿泊施設「星音」では、台湾の訪日観光客をターゲットに、 中国語(繁体字)のオウンドメディアを活用した情報発信を行っています 。
京都府宮津市は、日本三景の「天橋立」や美人の湯、新鮮な海産物など観光資源が豊富です。
特に冬季限定の「間人ガニ」が人気で、SEO対策を施した発信により、さらなる集客につなげています。
SNSを活用した動画コンテンツマーケティングの成功事例
東京都は、観光公式サイト「Tokyo Tokyo」で東京の魅力を海外にPRしています。
サイトではインバウンド向けのショート動画が配信され 、伝統から最新文化までをダイナミックに表現し、訪日意欲を高めています。
地域の祭りや伝統芸能をテーマにしたプロモーション動画が話題を呼び、観光客の増加に繋げています。
補助金を利用した事例
インバウンド向けの事業には補助金を活用することで、コスト削減が可能です。
特にキャッシュレス対応は、インバウンド対策として導入したい施策 です。
補助金を使って店舗の基礎的な整備を進めることで、訪日外国人観光客に利用してもらいやすい環境に整えられます。
おすすめインバウンド集客ツール5選
トリップアドバイザー

トリップアドバイザーは、 口コミ7億件以上、月間ユーザー4億人を誇る世界最大級の旅行口コミサイト です。
宿泊施設やレストラン、観光地などが800万件以上登録されており、施設情報や利用者の口コミなどが確認できます。
日本国内だけでなく、49の国と地域で幅広く利用されているため、登録することでインバウンドの集客を強化できるでしょう。
特に中国では口コミ重視の傾向が強く、トリップアドバイザーを通じた評価が店舗選びに影響を与えます。
【無料】お問い合わせはこちらecbo cloak

ecbo cloakは、「荷物を預けたい人」と「預かるスペースがあるお店」をマッチングするサービスです。
店舗の空きスペースを荷物の預かり場所として貸し出し、副収入を得られるというビジネスモデルです。
また、 ecbo cloakの利用者が店舗を訪れることで、売上アップにもつながります。
例えば、飲食店などにecbo cloakを設置すれば、 荷物を預ける時や受取時などに、コーヒーやランチなどの店内サービスを利用してもらえる機会が増えます 。
利用客が「預入時・受取時」の2回来店するため、来店者数の増加が見込まれ、その一部が店舗利用に繋がるケースが多いです。

編集部
ecbo cloakの利用者のうち、およそ20%は海外ユーザーです。言葉が通じない外国の方が利用される場合も、決済や預け荷物の確認はアプリ内で完結するため、多言語対応していない店舗でも安心です。
plat wifi
plat wifiは、高性能なルーターを月額料金で利用できる店舗向けWi-Fiサービスです。
お客様向けのフリーWi-Fi環境を整備できるだけでなく、 Wi-Fi接続時にホームページやSNSなどの指定したページを端末に表示させたり、Wi-Fiを使ってデジタルチラシを配布することも可能 なため、集客にも活用できます。
外国人観光客にとって、安定したインターネット接続は旅の必需品なので、店舗Wi-Fiの有無は来店の動機づけを左右する重要な要素です。
plat wifiを導入することで、顧客の利便性を高めながら効果的なPRが行えます。
QR Translator

QR Translatorは、QRコードを利用して多言語翻訳を提供するサービスです。
ユーザーが QRコードをスキャンすることで、特定のテキストや情報を瞬時に翻訳 し言語の壁を越えたコミュニケーションを支援します。
導入することで、外国語対応できるスタッフが居なくても、外国から来た顧客に対応できるため、積極的にインバウンド集客ができ、売上アップや機会損失の防止に繋がるでしょう。
LIFE PEPPER

LIFE PEPPERは、 訪日外国人向けに特化した情報発信を行い、観光地や飲食店、宿泊施設などの魅力を効果的に伝える ことができます。
特に、SNSやウェブサイトを通じて多言語での情報提供が可能で、外国人観光客が求める情報を迅速に届けることが可能です。
また、LIFE PEPPERは、ユーザーの行動データを分析し、ターゲット層に最適なマーケティング戦略を提案します。これにより、集客効果を最大化し、リピーターの獲得にもつながります。
さらに、地域の特性や文化を反映したコンテンツ作成をサポートし、訪問者にとって魅力的な体験を提供します。
インバウンド集客のメリット・デメリット

メリット1|売上の増加
インバウンド集客をすることで、 日本国内の顧客に加え、訪日外国人からの売上も見込める ため、収益の拡大につながります。
観光庁の調査によると、訪日外国人の平均支出額は21万円以上と高く、消費意欲が旺盛と見受けられます。
一方、日本人の消費支出はコロナ禍を経て回復傾向にありましたが、2023年は物価高の影響で減少傾向になっています。
上記のデータから、安定した売上確保には、インバウンドを含める多様な顧客層の取り込みが重要といえます。
▶参照:訪日外国人の消費動向|2023年年次報告書
メリット2|地域の活性化
インバウンド集客をすることで、訪日外国人の消費が地域経済を活性化させ、 店舗の売上増加 や 事業拡大による雇用創出 につながります。
また、外国人観光客の増加により自治体の税収が増え、インフラ整備や公共サービスの充実が可能になります。
さらに、地域の観光資源が再評価され、文化の発展や定住者の増加にもつながるため、地域全体にとって大きなメリットとなります。
デメリット1|オーバーツーリズムのリスク
インバウンド集客をすることで、観光客の急増によるオーバーツーリズムのリスクが生じる可能性があります。
過度な混雑やマナーの問題が、地域住民の生活や店舗のサービス品質に悪影響を与えることがあります。
また、交通渋滞やインフラ不足、騒音問題なども懸念されます。
国や自治体の対策に加え、 各店舗も受け入れ体制を整え、適切な管理を行うことが重要 です。
デメリット2|コミュニケーションのコスト
インバウンド集客をすることで、言語の壁によるコミュニケーションコストが発生する可能性があります。
訪日外国人の多くは日本語を理解できないため、接客時に通訳スタッフの配置や翻訳ツールの導入が必要となり、追加の負担が生じることがあります。
インバウンド対策をする際は、 予算を考慮して、機器導入や設備投資を行うことが大切 です。
インバウンド集客戦略の立て方

目標設定とKPIの定義
インバウンド集客の効果を正しく把握するには、事前に目標とKPIを設定することが重要です。
KPI(重要業績評価指標)は、最終的な目標に向けて 各プロセスの目標を明確にし、進捗状況を可視化するための指標 です。
これにより、施策の成果を測定しやすくなり、次の戦略や改善点を見出しやすくなります。
ターゲット顧客の理解とペルソナ設定
ターゲット顧客を理解し、ペルソナを設定することは、効果的な集客には欠かせません。
顧客のニーズを把握し、どのような体験を求めているのかを明確にすることで、適切な施策が可能になります 。
例えば、スノーボード目的の観光客が多い宿泊施設で、スキー用具の品揃えを豊富にしても響かないでしょう。
ペルソナ設定を活用し、的確なサービスを提供することが成功の鍵となります。
インバウンド集客に取り組む際の注意点

インバウンド集客を優先しすぎると、 国内旅行者への対応が手薄になり、既存顧客の離脱を招く恐れがあります 。
訪日外国人向けの施策を強化する一方で、国内旅行者にも引き続き魅力的なサービスやコンテンツを提供し、バランスの取れた集客戦略を心がけましょう。
地域の特性やターゲット層を考慮し、両者にとって快適な環境を整えることが、持続的な売上向上につながります。
外国人観光客の集客に関するよくある質問
A
外国人旅行者に伝えると喜ばれる情報は以下の通りです。
・交通手段と日本独自の交通ルール
・周辺のローカル情報
A
集客ツールを選ぶ基準は以下の通りです。
・エリアを限定できるか
・ターゲット層と相性がいいツールか
・集客効果を分析できるか
A
インバウンド集客のポイントは以下の通りです。
・市場調査から商品・サービスの企画・開発、営業、販売促進までの仕組みづくりをする
・魅力的な商品・サービスの企画と開発を進める
・商品・サービスの独自性や付加価値、訪日外国人が来店しやすい立地、店舗のデザインなど、店舗をブランディングする
・接客を多言語対応化する
・チャットツールやSNS、キャンペーン、ポイントカード、クーポンなどを利用して、リピーターを獲得する
・訪日外国人にも日本人にも、丁寧な接客対応を心がける
A
地方の訪日外国人観光客を増やす取り組みのポイントは以下の通りです。
・地域の魅力を明確にする
・地域住民との交流を活性化し協力を得る
・具体的な資金調達方法を検討する
・観光による地域活性化
A
インバウンドイベントのおすすめ企画アイデアは以下の通りです。
・季節ごとのイベント
・地域特有のイベント
・地域住民と外国人観光客を繋ぐイベント
まとめ
インバウンド集客を成功させるには、訪日外国人のニーズを的確に捉え、効果的な施策を実施することが重要です。
本記事で紹介した12の施策や成功事例を参考に、自社の強みを活かした集客対策を進めましょう。
多言語対応やキャッシュレス決済、SNSの活用など、適切な対策を講じることで、訪日客の満足度向上にもつながります。
インバウンド需要の拡大をチャンスと捉え、今こそ具体的なアクションを起こしましょう!

この記事を書いたライター
Wiz Cloud編集部
WizCloud編集部メンバーが執筆・更新しています。 Web関連、デジタル関連の最新情報から、店舗やオフィスの問題解決に使えるノウハウまでわかりやすくご紹介します!