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【2024年最新版】開業届の書き方を徹底解説

これから事業を始めようとしている方は、開業に何が必要なのかわからないことも多いかと思います。開業にあたって「開業届」の提出は必要なのか、届出書はどう記入したらいいのかなど、開業届記入にあたっての気になる疑問を詳しく解説します。
さらに開業に伴い、準備しておきたいインフラ周りやツールなど、抑えておきたいアイテムを多数ご紹介していきます。

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開業届けとは?

そもそも開業届の正式名称は、個人事業の開業・廃業等届出書といいます。通常は原則として開業後1ヵ月以内に提出することと言われていますが、提出をしなくても罰則にはあたりません。しかし中には青色申告の申請や屋号での銀行口座の開設といった開業届を提出していることが前提となる手続きもあるため、個人事業として開業した場合は、早めに開業届を提出するのがおススメです。

▼国税庁の開業届をダウンロードしたい方はこちら
国税庁 | 個人事業の開業・廃業等届出書(提出用・控用)PDF

開業届を出すメリット

独立して開業届を出すメリットはおもに4つ挙げられます。それぞれのメリットをみていきましょう。

①青色申告により節税対策ができる

開業届を提出した場合、青色申告特別控除を受けることができます。そのため、開業届を出すことで税金の支払いを節約することが可能となるのです。

具体的な控除額については65万円となりますが一つ注意が必要です。それは令和2年より青色申告特別控除の適用要件が変更となったため、65万円の控除を受けるためには以下のどちらかの手続きを行う必要があるのです。

  • e-Taxによる電子申告
  • または電子帳簿保存

もし、これまで通りの方法で申告してしまうと控除額が55万円となり、10万円減額となってしまうため注意が必要です。改正後の65万円の青色申告特別控除を受けるためには、以下の4つの条件をクリアする必要があるので事前に確認しておきましょう。

  1. 正規簿記の原則で記帳する(複式簿記)
  2. 貸借対照表と損益計算書を添付する
  3. 期限内に申告する
  4. e-Taxによる電子申告または電子帳簿保存が必要

②屋号名で銀行口座を作成することが可能

個人事業主として活動を始める場合、取引先とのやり取りに個人の銀行口座で対応するのは、プライベートの銀行口座で管理できる程度の事業規模であると思われ、信用を得られない可能性もあります。そのため、屋号名で銀行口座を作成するのがおススメです。
個人と事業用の2つの口座をきっちり分けることで、経理面での処理もラクになります。開業届を出したあとは、屋号の銀行口座を作成するといいでしょう。

③赤字を最長3年繰り越せる

確定申告を提出すると、赤字が出た場合は赤字分の損失を翌年の利益から差し引いて、翌年は差額分に対して税金計算ができるようになります。要は青色申告を行っている場合は最長3年間赤字を繰り返すことが可能となります。そして事業所得・不動産所得・譲渡所得・山林所得について赤字損失が発生した場合は、この赤字繰り越しの対象になります。
つまり、この仕組みを活用すると今年度赤字が出た場合は、その分翌年以降に節税ができるということになるのです。

④家族に対する給料を経費にできる

家族経営をしている場合、青色申告を行うことで家族に支払った給料を経費として計上することが可能です。この家族に支払う給与のことを青色専従者給与と言い、青色専従者給与に関する届け出を税務署に提出することにより、家族(15歳以上)への給料を経費に充てることが可能となります。家族で事業を行う方にはうれしいポイントといえるでしょう。

開業届の書き方はカンタン?わかりやすく解説!

ここでは、初めて開業届を提出する方に向けて、わかりやすく記入方法を解説していきます。

① 届出書の種類を選択

提出する書類の内容に合わせて、開業か廃業か選択する。今回は開業届の提出方法なので「個人事業の開業・廃業等届出書」の「開業」に、〇をつける。

② 提出先の税務署名を記入

左上部にある「税務署長」の部分に、管轄の税務署名を記入し、書類の提出日を記入する。管轄税務署がわからない場合は、国税庁のホームページなどから確認が可能です。提出する日付は、開業日から1ヶ月以内とされていますが、過ぎていてもとくに罰則などはありません。

③ 納税地の記入

納税地の項目には「住所地」「居所地」「事業所等」のどれかを選択し、住所を記入します。電話番号は、固定電話でないといけない決まりはなく、携帯電話の番号でも問題ありません。
基本的に納税地は、生活拠点である自宅を表す「住所地」になりますが、お店や事務所が別である場合は「事業所等」を選択しても良いです。なお「居所地」というのは、申請者が海外に住んでいて、日本に住所はないけれど、活動場所は日本にあるという場合に選択します。

また下段にある「上記以外の住所地・事業所等」の欄は、以下の場合に記入してください。ちなみに自宅兼オフィスという場合は、納税地への記入のみでかまいません。

・納税地は自宅にしたいが、事業所は別
「納税地」に自宅の住所を記入し「上記以外の住所地・事業所等」の欄に事業所の住所を記入する。

・納税地は自宅ではなく事業所にしたい
「納税地」に事業所の住所を記入し「上記以外の住所地・事業所等」に自宅の住所を記入する。

④ 代表者名の記入

開業届を提出する人の情報を記入する。氏名や生年月日、職業に屋号、そしてマイナンバーを記入してください。名前はフルネームで記入し、個人印でも屋号印でも構わないので、印鑑を押します。「屋号」は、なければ空欄でよいです。
また「職業」欄は、特に記載方法の決まりはなく、客観的に見てわかるような名称であれば問題ありません。ただし業種によって、個人事業税の税率が異なるため、適切な税率になるよう確認しておきましょう。

⑤ 届出区分

提出書類に当てはまるものを「届出の区分」で選択する。ここでは「開業」に〇を入れる。事業継承が行われた場合は、受けた先の住所や氏名を記入してください。

⑥ 所得の種類

不動産や山林による所得以外は、すべて「事業所得」になります。適したものを選んで〇をつけましょう。

⑦ 開業・廃業日等

開業する日を記入します。基本的に「開業日」は、提出日から1ヶ月以内になりますが、明確なルールはありません。開業届を提出した日や、自身が開業したと認識した日など、基準はさまざまです。
ただし開業した年から青色申告をしたい場合は、開業日から2ヶ月以内と決待っています。もし開業日から2ヶ月を過ぎて提出した場合は、翌年の確定申告から適用になります。

⑧ 開業・廃業に伴う届出書の提出の有無

開業に伴い、一緒に「青色申告承認申請書」を提出する場合は「有」に〇をつける。また、消費税に関する「課税事業者選択届出書」については、基本的に「無」で問題ありません。

⑨ 事業の概要

開業する事業の詳細を、職業欄に記入したよりも、できるだけ具体的にわかりやすく記載する。実際に、どういった事業を行っているのか、誰が見てもわかるように記載しましょう。

⑩ 給与等支払いの状況

専従者である家族従業員や、家族以外の従業員(使用人)を雇う場合は、ここに記入します。「従事者数」には、専従者・使用人それぞれの人数を記入してください。
月給なのか日給なのか、さらに月給+ボーナスがあるのかなど、給与の支払い方法は「給与の定め方」の欄に記入します。基本的に給与を支払う場合には、源泉徴収を行う必要があるので「税額の有無」は「有」に〇をつけます。

⑪ 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書の提出の有無

「源泉所得税」は、原則として徴収した日の翌月10日が納期となっています。ただし給与の支給人数が常時10人未満の場合は、ここで申請することで年2回にまとめて納めることが可能になります。これに該当し、あわせて申請する場合は「有」に〇をつけます。

⑫ 給与支払を開始する年月日

従業員がいて、給与を支払う場合に記入が必要です。開業したばかりでまだ給与支払いがない場合は、支払い開始予定日を記入し、すでに支払いが発生している場合は、その日付を記入します。
なお給与支払い開始予定日から、⑪で記入した源泉所得税納期の特例を受けたい場合は、支払い開始日の前月までに、開業届や申請書の提出が必要です。すでに給与を支払っている場合は、提出日の翌月に支払われる給与から適用されます。

開業届を提出する前に確認すること

「開業届」は、最寄りの税務署窓口や、国税庁のホームページから取得できます。さらに開業届の提出には、以下のような書類が必要となります。後で気づいて、慌てて準備することになる前に、早めに揃えておきましょう。
開業届の提出前に!
  • マイナンバー
  • 事業所の住所、開業日がわかる書類
  • 給与支払事務所等の開設届出書(従業員を雇う場合)
  • 労働保険保険関係成立届(従業員を雇う場合)
  • 雇用保険適用事業所設置届(従業員を雇う場合)
これらの他にも申請内容によって、提出資料が分かれています。また従業員を雇う場合、書類の提出先も、労働基準監督署や税務署、ハローワークなどさまざまなうえ、提出期限も違うためそれぞれ確認しておく必要があります。

また個人事業主が支払わなくてはならない「個人事業税」は、行っている事業の種類によって異なるため、お近くの自治体ホームページなどで必ず確認しておきましょう。

開業届以外に準備すること

開業届の提出に必要な書類などは、前項でご紹介してきました。新しく開業するにあたって、届出書の提出以外にも、用意しておきたいモノがあります。ここでは開業届以外に、準備しておきたいツールをご紹介します。

パソコン・プリンタ

個人・法人に限らず、今の時代パソコンは必要不可欠です。人によっては、タブレットだけでも無理なく業務が遂行できている方もいますが、何かしら書類作成や、管理を行う場合はパソコンを使う方が効率的です。
すでに持っているのであればいいですが、余裕があれば会社用として別途準備すると、セキュリティ面など安心して機密情報などを管理することができます。
また契約書や企画書などを作成することが多い場合は、プリンタも一緒に用意しておくといいでしょう。開業後、何に使うのかを考えて、必要に応じて用意するといいです。

▶テレワークにおすすめ!ノートPCの選び方とおすすめのノートPC5選

会計ソフト

個人事業主であれば、年度末には確定申告を行う必要があります。通常業務とあわせて会計業務に時間を取られるくらいなら、会計ソフトを導入しておくといいでしょう。会計ソフトを入れておけば、確定申告提出時も手動で行うより大幅に工数が短縮できます。
事業規模が小さい会社向けの会計ソフトなども登場しているので、個人事業主でも安心して導入が可能です。

▶会計ソフトおすすめ10選を徹底比較!個人と法人の違いは?料金や機能も比較

インターネット回線・電話

事業を始める際、スムーズなやり取りを行うためにも、インターネット回線は用意しましょう。すでに固定回線を引いているのであれば良いですが、Wifi機能などがなければ、使えるようにしておくことがおすすめです。
新たにインターネット回線を引くのであれば、固定電話も一緒に使えるようにしておくと、顧客からの信用度高くなります。今は、ネットと一緒に使える光電話などもあり、比較的価格も抑えて利用できるので、極力インターネット回線とともに電話も使えるようにしておくことをオススメします。

法人カード

会計業務にかかる手間を省略するなら、法人カードを作っておくといいでしょう。会社の経費関連の支払いを、全て法人カードにまとめて、会計ソフトをデータを連携させれば、別途経費支払い状況を入力する手間が省けます。
さらに法人カードであれば、ビジネス向けの特典や福利厚生優待など、豊富な付帯サービスも利用できるので、作っておくと便利です。

▶個人事業主におススメのビジネスカードとは?メリットや特徴・個人カードとの違いを解説!

印鑑

個人・法人に関わらず、事業を始めるうえで「印鑑」は必須です。最初は個人だからといって、プライベートで作っていた印鑑を利用してしまうと、あとから区別ができず面倒なことになってしまいます。
用意しておきたい印鑑は、契約書類など重要な書類に使う「実印」、銀行口座やクレジットカードなどに使う「銀行印」、簡単な申込書などシャチハタ不可な書類に使える「認印」の3種類で、最近ではインターネットなどから注文して購入することができます。
あと回しにして、結果的に手間がかかることになるよりは、開業に合わせて印鑑も準備しておくことをオススメします。

▶電子印鑑の作成方法を解説!Excelやフリーソフトを使えば無料作成可能

電子契約

近年、インターネットの普及やペーパーレス化の推奨に伴い、契約書などの締結をインターネット上で行う「電子契約サービス」の利用が増加しています。2000年以降、電子契約に関する法改正も行われ、技術開発の発展とともに電子契約を導入しやすくなってきています。
保管が面倒な紙資料ではなく、セキュアでスムーズな契約締結が可能な「電子契約サービス」は、開業に合わせて導入しておいてもいいかもしれません。

▶無料で使える電子契約サービスおすすめ10選!選び方や注意点を紹介

勤怠管理システム

もし従業員を数名雇い入れる場合、それぞれの勤怠管理も事業主の仕事の一つです。月の稼働時間や残業時間など、労働基準法のもとで正しく行わなくてはいけません。
従来はタイムカードなど、紙に機械で時間を押すようなシステムもありましたが、最近はオンラインで集計できる「勤怠管理システム」が沢山登場しています。出勤・退勤打刻や、月の稼働時間、残業時間の集計を自動で行えるため、余計な手間もかからずに従業員管理が可能です。

▶無料の勤怠管理システムおすすめ15選!メリットやサービス選びのコツを徹底解説!

開業時に忘れがちなこと・準備するとよいもの

そのほか開業する際に、見直しも含めて押さえておきたいポイントがあります。開業には色々な経費がかかるので、少しでもコストを抑えられるサービスへの見直しする良い機会になります。

補助金・助成金の申請

新しく事業を始める際は、初期投資でさまざまな経費がかかります。さらに事業内容によってはシステム導入など、その負担は大きいものとなります。そこで助かるのが、国や地方自治体などが行っている「補助金」や「助成金」制度の活用です。

関連記事:【個人事業主向け補助金・助成金】新規事業や開業時に活用すべき?

創業時に事業計画を提出することで、事業完了後に支給される「創業補助金」や、店舗などのレジや関連システムの導入費に使える「IT導入補助金」など、個人事業主でも活用できる補助金が沢山あります。
ぜひ忘れずに申請するようにしましょう。不安な場合は、助成金申請の専門家に無料相談できるので、お気軽に相談してみてください。

回線の見直し

少しでもコストを抑えて、余計な経費をかからないようにするためには、まずはインターネット回線の見直しから始めてみるのもいいでしょう。
長らく使っていると、実は新しいプランが登場していたり、用途にあわせてお得な利用ができるプランも出ていることに気づかないことがあります。事業を始めるタイミングで、一度プランの見直しを行うことで、環境はほとんど変えずに、一気に通信費を抑えることもできるため、試してみる価値はあります。

電気の見直し

インターネット回線とあわせて、近年注目されているのが、電気の見直しです。この数年、電力の自由化が開始され、大手電力会社だけでなく、さまざまな事業者が電気事業を開始しました。
それにより電気料金やプランも、事業者によって変わってきています。その中には、スマホやインターネット回線と電気会社をまとめることで、通信費などが安くなったりということも。事業者をまとめることで、月額料金も変わり、請求もまとめられるので、支払い状況を整理するには見直しが最適なタイミングといえます。

▶電気代の節約方法18選を徹底解説!料金が急に高くなった原因とは?

ウォーターサーバーの設置

事務所を構えたり、顧客が訪れることが多くなる場合は、お客様用の飲み物もバカになりません。その都度、飲み物を買いに行ったりするのは面倒になるうえ、意外と経費がかかってしまうものです。
そうなる前に、ウォーターサーバーなどを設置しておくのも良いかもしれません。お水以外にも熱いお湯も出るので、コーヒーや紅茶なども簡単に作れます。特に顧客が来ないのであれば、あまり効果はないかもしれませんが、状況に応じてウォーターサーバーなどを設置しておくのも、コストを抑える方法の一つといえます。

▶ウォーターサーバーの値段はいくらかかるの?ウォーターサーバーの安いおすすめ機種を紹介

そもそも開業届とは?

そもそも「開業届」とは、正式には「個人事業の開業・廃業等届出書」といい、簡単に言うと、新しく事業を開始する際に提出する書類のことです。

”新たに事業を開始したとき、事業用の事務所・事業所を新設、増設、移転、廃止したとき又は事業を廃止したときの手続です。(国税庁HPより)”

基本的に開業日から1ヶ月以内に提出する義務はありますが、開業届を提出しなくても法的に罰せられるということはありません。ただし屋号での銀行口座の開設や、青色申告の申請などをしたい場合は、開業届の提出が前提となっているため、なるべく早く提出しておくことをおすすめします。

開業届を出さないとどうなる?

先ほども説明したように、開業届の提出は義務付けられていますが、提出しないからといって罰則があるわけではありません。実際に、開業届を出さずとも確定申告をして、税金を納めている事業者もいます。
ただし開業届を提出しないということは、提出することで得られるメリットはなくなるので、できれば提出しておいた方がいいです。開業届を提出することで、以下のようなメリットが受けられないので、覚えておきましょう。

開業前の費用を経費計上できる

開業準備でかかった経費は、開業届を提出する前に発生していたとしても「開業費」として、経費扱いにすることができます。

青色申告ができる

開業届を出さなくても、確定申告は白色申告で申請は可能です。しかし所得から最大65万円の控除が可能だったり、専従者給与で経費を増やしたりと、節税効果の高い「青色申告」は、開業届を提出していないと申請ができません。

屋号での銀行口座開設が可能

個人事業主で屋号をつける方は、開業届提出時に屋号も一緒に登録しておけば、屋号名で銀行口座の開設が可能です。かかる経費や売上の管理を別口座に分ける場合など、個人名で複数持つよりも屋号名で管理する方がわかりやすいほか、開業届で屋号を登録していることで信用度も高まるので、登録しておくのはおすすめです。

まとめ

今回は、これから新しく事業をスタートさせようと考えている方向けに、わかりやすい「開業届」の書き方を解説してきました。開業には、届出書の提出のほか、色々なものを準備する必要があります。書類などに意識がいってしまい、意外と忘れがちな回線などのインフラ周りや、印鑑などの細かいものなど、早いうちにまとめてチェックしておきましょう!
 
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この記事を書いたライター

Wiz Cloud編集部

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