「コストを抑えて導入できるサービスは?」
「固定電話からスムーズに乗り換えるには?」
IP電話は、インターネット回線を利用して通話を行う仕組みで、従来の固定電話よりも初期費用・通話料を大幅に削減できます。
しかし、法人向けサービスには「050アプリ型」「クラウドPBX型」など複数のタイプがあり、用途や規模によって最適な選択が異なります。
本記事では、コスト重視・信頼性重視・営業効率化重視の3カテゴリに分けて、法人・個人事業主におすすめのIP電話サービス18選を徹底比較。IP電話のデメリットや選び方も解説します。
目次
▼この記事で紹介している商品
法人・個人事業主におすすめのIP電話サービス18選
【コスト重視・即日導入】050アプリ型(IP電話アプリ)
| 項目 | G-Call 050 | ビジネスLaLa Call | モバイルチョイス”050” | My 050 | SUBLINE | IVRy | 03plus |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 提供元 | (株)ジーエーピー | (株)オプテージ | 楽天コミュニケーションズ(株) | ブラステル(株) | (株)インターパーク | (株)IVRy | (株)グラントン |
| 番号種別 | 050 | 050 | 050 | 050 | 050 | 0ABJ, 050,フリーダイヤル | 0ABJ, 050 |
| 初期費用 | 要問合せ | 要問合せ | 550円 | 0円 | 0円 | 0円 | 4,180円(年払い) |
| 月額料金 | 308円/ユーザー | 550円(5番号まで) | 110円/番号(ベーシック)/528円/番号(上位) | 0円 | 550円(ビズベーシック)+利用者番号数×550円 | 2,980円~(フリープランあり) | 1,408円(年払い・月換算) |
| 導入スピード | 即日発行可 | 即日利用可 | 即日利用可 | 即日利用可 | 最短即日 | 最短即日 | 最短10分 |
| 通話料目安 | 固定:3分8.8円/携帯:1分17.6円/同アプリ間無料 | 同アプリ間無料 | 固定・携帯:1分19.8円/IP電話:1分10円/他社IP電話:1分12.5円 | プリペイド制/固定:3分10.56円/携帯:3分19.80円 | 固定:1分11円/携帯:1分22円/同アプリ間:1分2.2円 | 要問い合わせ | 固定:3分8.8円/携帯:1分19.25円/アプリ間:30秒22円 |
| 主な特徴 | アプリを開いていなくても着信可。国際通話が格安(例:米国1分5円)。留守番電話機能付きでビジネス用途に安定。 | 公私分計(ビジネス・プライベートの通話料分離)が可能。端末紛失時に遠隔初期化できるリモートワイプ機能を標準搭載。 | 音声回線経由で高音質。携帯電話で業務用番号を使える「公私分計」対応。法人3万社導入実績。 | 完全無料のプリペイド型。チャージ残高制で使いすぎを防止。海外出張時も日本番号で通話可能。 | スマホ1台で050番号を追加可能。IVR(自動音声応答)、通話録音、スケジュール転送など小規模法人向け機能が充実。 | AI音声認識+IVR自動応答で業務自動化を支援。050番号を最短即日発行。予約・受付・店舗対応に強い。 | 最短10分で開通。スマホで03番号を利用可能。FAX送受信、顧客管理、WEB電話帳を一体化した多機能クラウド電話。 |
※価格はすべて税込表記です。


【信頼性・高機能重視】クラウドPBX型(0ABJ対応)
| 項目 | CLOUD PHONE | Zoom Phone | IP-Line | トビラフォン Cloud | MOT/TEL | BIZTEL ビジネスフォン | VoiceX | クラコールPBX |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 提供元 | (株)Wiz | ZVC JAPAN(株) | (株)プロディライト | トビラシステムズ(株) | (株)バルテック | (株)リンク,ブライシス(株) | (株)コムスクエア | (株)三通テレコムサービス |
| 番号種別 | 0ABJ, 050, 0120/0800 | 0ABJ, 050, 0120/0800 | 0ABJ, 050, 0120/0800 | 050, 0ABJ(オプション) | 0ABJ, 050 | 0ABJ, 050, 0120/0800 | 0ABJ, 050 | 0ABJ, 050, 0120/0800 |
| 通話品質 | クラスA | 99.999% SLA保証 | クラスA(64kbps高音質) | クラスA相当 | クラスA(固定電話相当) | 高安定性(国内大手利用) | クラスA | 高信頼品質(要確認) |
| 初期費用 | 0円 | 0円 | 1,100~2,750円 | 3万3,000円(0ABJ工事5万5,000円) | 32,780円~ | 5万5,000円~ | 3万円~※税表記なし | 0円 |
| 月額料金 | 770円/ユーザー ・050:330円 ・市外局番:1,100円 ・0120:2,200円 |
1,980円~/ユーザー |
1,100円/2チャネル | 3,300円/2チャネル | 6,578円/20チャネル | 2万3,100円~ | 890円/ユーザー ※税表記なし |
1,078円/ユーザー(6人以降上限5,390円) |
| 導入スピード | 最短1週間 | 約1.5〜2か月 | 最短1週間 | 約1〜2週間 | 最短3営業日 | 約5営業日 | 約1週間 | 即日利用可(工事不要) |
| 主な通話料 | 要問合せ | 国内・47か国通話定額 | 固定:3分8.69円/携帯:1分16.5円 | 固定:3分8.8円/携帯:1分17.6円 | 固定:3分8.8円/携帯:1分17.6円 | 固定:3分8.8円/携帯:1分19.8円 | 固定:3分8円/携帯:1分18円(0ABJ)※税表記なし | 固定:3分8.8円/携帯:1分17.6円 |
| 主な機能 | 通話録音、IVR、SMS自動送信、モバイル内線化 | 通話録音、IVR、ビデオ会議切替、Teams連携 | 内線通話、IVR、通話録音、CRM連携、国際通話 | 迷惑電話フィルタ、AI文字起こし、IVR、要約機能 | 内線・転送・録音・自動精算、公私分計 | IVR、録音、音声テキスト化、セキュリティ管理 | 録音、AI解析、コンタクトセンター機能 | 録音、転送、保留、IVR |
| 導入実績 | 6,500社以上導入 | 700万件以上導入 | 全国34局エリア展開 | 利用企業多数(ブランド利用1,500万件) | 3万2,000社以上導入 | 2,000社超(国内No.1) | 500万番号以上発行 | 継続率99%以上 |
| 特徴/強み | PBX機器不要で導入コストを最小化。内線・録音・転送すべて無料。 | 定額無制限通話+会議連携。在宅勤務・海外拠点にも最適。 | 90秒課金でコスト削減。全国34局の0ABJ対応。CRM連携「INNOVERA」で営業DX推進。 | 迷惑電話対策+AI要約を標準搭載。高セキュリティ設計。 | 公私分計/自動精算機能搭載。営業・現場スタッフに好評。 | 国内シェアNo.1。安定稼働と拡張性に優れ、BCP対応力が高い。 | AI音声解析+クラウド連携でサポート業務を自動化。 | 初期0円&利用上限設定。中小企業が導入しやすい低価格設計。 |
※価格はすべて税込表記です。


【営業効率・サポート強化】AI音声解析・CRM連携特化型
| 項目 | MiiTel Phone | Dialpad | pickupon |
|---|---|---|---|
| 提供元 | (株)RevComm | Dialpad Japan(株) | pickupon(株) |
| 電話番号種別 | 03/06など主要都市の市外局番 | 0ABJ, 050, 070,080,090,010 | 050 |
| AI/音声解析機能 | 自動録音・文字起こし。話速・会話構造の分析、定量評価/スコアリング。AIコーチング機能。 | AIを搭載したVoice Intelligence (VI) が通話内容をリアルタイムでテキスト化。キーワード/会話トレンドの自動分析。 | AIが通話内容を自動でサマリー化。AIが重要箇所をピックアップし、顧客課題を正確に把握。 |
| CRM/ 外部連携 |
Salesforceやkintoneなどの外部ツールと自動連携。顧客情報や対応状況を効率的に把握。 | CRM/SFAとスムーズに連携。顧客情報と通話履歴の一元管理が可能。 | 通話内容をCRMやSFAのワークスペースへ自動入力・共有。顧客プロファイルを自動作成。 |
| 初期費用 | 0円 | 0円 | 0円 |
| 月額基本料金 | 6,578円/ID(年次契約) | 1,000円~※税表記なし | 6,000円~/ID※税表記なし |
| 通話品質 クラス |
要問合せ (高品質な通話をサポート) | 要問合せ | 要問合せ |
| 強み | AIによる会話の定量評価により、商談獲得率や成約率の向上を後押し。教育リソースの削減。 | AIが自動で通話内容をサマリー化し、報告書作成の工数を削減。 | AIによるリアルタイム分析で、会話から重要な情報を瞬時に把握。柔軟な働き方を強力に支援。 |
| 導入実績 | 3,000社以上 | 3万件以上 | 要問合せ |
※価格はすべて税込表記です。



IP電話とは?法人利用が増える背景
IP電話の仕組みと従来の固定電話の違い
IP電話は 音声をデジタル信号に変換し、インターネット回線を通じて通話する仕組み です。
従来の固定電話のように局舎やメタル回線を経由せず、VoIPゲートウェイを通して音声データをやり取りします。
このため通信コストを抑えられる一方、回線品質が不安定だと遅延や音途切れが生じることもあります。
特に法人では、VPN経由で通話を分離することで、社内ネットワーク混雑による音質劣化を防ぐ運用が一般的です。
※VoIPゲートウェイ…従来の電話回線(アナログ・ISDNなど)と、インターネット回線(IPネットワーク)をつなぐ装置

法人向けIP電話の種類と特徴
法人向けIP電話は、利用環境や目的に応じて「IP電話回線」「IP-PBX」「クラウドPBX」「IP電話アプリ」の4つのタイプに分類されます。
| 種類 | IP電話回線 (ひかり電話など) |
IP-PBX (構内設置型) |
クラウドPBX (クラウド型) |
IP電話アプリ (050アプリなど) |
|---|---|---|---|---|
| 仕組み | 光回線を使って通話する固定電話型のIP回線 | 社内に設置した交換機(PBX)が内線や外線を制御 | PBX(電話交換機)をクラウド上に構築し、アプリで操作 | スマホやPCにアプリを入れて通話(050番号など) |
| メリット | 音質が安定していて遅延が少ない/従来の電話機をそのまま使える/通話料が安い(距離に関係なく全国一律) | 自社ネットワーク内で電話を完結/内線通話・転送・保留などを自由に設定可能/セキュリティやカスタマイズ性が高い | 社外・在宅からも代表番号で発着信可能/内線・転送・録音などをWebで一元管理/物理機器が不要で導入が簡単 | 最短即日導入でき、初期費用がほぼ不要/個人スマホで仕事用番号を使い分け可能/小規模でもすぐ始められる |
| 向いている企業 | 固定電話の信頼性を維持したい企業/事務所・店舗など拠点が固定の法人 | 拠点が1〜2か所で、常設オフィスがある企業/独自設定やセキュリティ重視の法人 | 複数拠点・リモート勤務のある企業/電話対応を効率化したい法人 | 個人事業主・スタートアップ /出張・移動の多い営業職 |
| 注意点 | 利用場所が「契約住所」に限定される/外出先や在宅勤務では使いにくい | 機器の設置・保守コストが必要/在宅勤務などリモート対応が難しい | インターネット環境に依存(通信障害時は影響あり)/機能が多く初期設定に慣れが必要 | 通話品質が回線状況に左右されやすい/110/119など緊急通報は発信不可の場合あり |
- 安定した品質を重視するなら: IP電話回線(ひかり電話)
- セキュリティや独自運用を重視するなら: IP-PBX
- 在宅勤務・複数拠点運営なら: クラウドPBX
- 初期費用を抑えてすぐ始めたいなら:IP電話アプリ

編集部
各サービスの特徴を理解したうえで、次に気になるのは「実際にどうやって自社の固定電話番号をスマホで使えるようにするか」という点です。
特にテレワークや外出対応が多い企業では、代表番号をスマートフォンで運用できる仕組みが業務効率化の鍵となります。
法人の固定電話番号をスマホで使う3つの方法
法人が会社の固定電話番号をスマートフォンで利用する方法は、主に 「クラウドPBXの導入」、「転送サービスの利用」、「固定電話番号取得サービスの活用」 の3つがあります。
クラウドPBXはインターネット経由で会社番号(03・06など)を発着信でき、在宅勤務や外出先での対応に最適です。
転送サービスは、NTTの「ボイスワープ」などを利用して既存番号への着信をスマホへ自動転送できます。
固定電話番号取得サービスは、Web上の設定だけで工事不要で導入できる手軽さが魅力です。
法人向けIP電話の種類とスマホ対応の関係表
| IP電話の種類 | IP電話回線 (ひかり電話など) |
IP-PBX (構内設置型) |
クラウドPBX (クラウド型) |
IP電話アプリ (050アプリなど) |
|---|---|---|---|---|
| スマホで会社番号を使えるか | △(一部対応) | △(制限あり) | ◎(最も適する) | ◎(即時導入可) |
| 対応する方法 | 転送サービスの利用 | 転送サービス/VPN連携 | クラウドPBXの導入 | 固定電話番号取得サービスの活用 |
| 特徴・補足 | オフィスの固定回線を利用するタイプ。NTTの「ボイスワープ」などでスマホ転送は可能だが、外出先から会社番号で発信は不可。 | 自社サーバーで電話交換を行うタイプ。VPNを介せばスマホ連携も可能だが、機器コストと設定負荷が高い。 | 専用アプリで03や06などの代表番号をスマホで発着信可能。リモート勤務や多拠点企業に最適。 | 新規050番号を取得してスマホで利用。初期費用が安く、個人事業主や小規模事業向け。 |
アプリでどこからでも内線・外線転送が無料
CLOUD PHONEの詳細はこちらなぜ今、法人はIP電話に切り替えるべきなのか?
NTTは2024年に全国の固定電話網をインターネット技術を使ったIP網へ完全移行しました。
これにより、 従来のアナログ回線(メタル回線)やPBX(構内交換機)を使い続ける企業では、保守コストや障害リスクが高まっています 。
一方で、IP電話はインターネット回線で通話できるため、通信コストを削減しつつ在宅勤務や拠点間通話にも柔軟に対応可能です。
さらに、CRM連携やAI文字起こしなどの機能拡張にも対応でき、BCP対策(災害時の業務継続)としても注目されています。


IP電話導入で法人が得られる5つのメリット
- 初期費用・基本料金を大幅に削減できる
- スマホで会社番号の発着信・内線化が可能
- 人員増減や拠点拡大に合わせて柔軟に拡張できる
- CRM・SFA連携で業務効率を向上
- 拠点間通話・内線通話が無料で利用できる
初期費用・基本料金を大幅に削減できる
IP電話は、 インターネット回線を利用するため、従来の固定電話で必要だった加入権や回線工事が不要 です。
初期費用を大幅に抑えられるほか、通話料も距離に関係なく一律で、遠方や海外拠点との通話コスト削減に効果があります。
法人向けサービスでは、90秒単位など短時間課金を採用するプランも登場しており、実際の通話実態に即した無駄のない料金設計が可能です。
スマホで会社番号の発着信・内線化が可能
専用アプリをスマートフォンに導入すれば、会社の代表番号(03・06など)で発着信が行えます。
従業員が私用番号を使わずに対応できるため、公私の切り分けが明確になり、企業としての信頼性も維持されます 。
さらに、既存のスマホやPCをそのまま利用できるため、専用機器の購入や維持管理コストが不要です。
営業・サポート部門では、外出先でも内線同様の運用が可能になり、機動性と顧客対応力が大幅に向上します。

人員増減や拠点拡大に合わせて柔軟に拡張できる
クラウドPBX型IP電話は、機器の追加設置が不要で、Web上の管理画面から回線数や内線番号を即時に変更できます 。
これにより、人員増減やオフィス移転といった組織変化にも柔軟に対応可能です。加えて、1回線で複数の同時通話(チャネル)を扱えるため、契約回線数を抑制できます。
一般的には「従業員数の3分の1のチャネル数」を確保すれば十分とされ、無駄のない設計でコスト最適化を実現します。
全国14都道府県の市外局番も取得可能
CLOUD PHONEの詳細はこちらCRM・SFA連携で業務効率を向上
IP電話は、CRM(顧客管理システム)やSFA(営業支援システム)などとAPI連携が可能 です。
CTI機能により、着信時に顧客情報や対応履歴が自動表示され、担当者が即座に最適な応対を行えます。
近年はAIを組み合わせた自動文字起こしや要約機能も普及し、通話ログから会話要点を自動抽出することが可能です。
これにより、報告書作成などの定型業務が削減され、チーム全体の生産性と顧客対応品質が同時に向上します。
拠点間通話・内線通話が無料で利用できる
クラウドPBX型IP電話を利用すれば、本社・支社・在宅勤務者を含む全社ネットワークを一元化でき、拠点間・内線通話が無料 になります。
通信網をインターネット経由に統一することで、地理的な制約がなくなる上、海外拠点との内線通話も無償化できるサービスもあります。
また、災害や停電時でも、Web上から即時に転送先を変更できるため、BCP(事業継続計画)の観点からも導入効果は大きいでしょう。
IP電話の導入で法人が知っておくべきデメリット
- 通話品質がネット環境に左右されるリスク
- 緊急通報(110/119)や特殊番号への制限がある
- 停電・災害時に通話が途絶える可能性
通話品質がネット環境に左右されるリスク
IP電話は音声をデータ化して送受信する仕組みのため、通話品質はインターネット回線の速度や安定性に大きく左右されます。
特に同一回線で動画会議やクラウドサービスを併用すると、帯域不足により音声が遅延・途切れる ことがあります。
また、無線LAN利用時は電子レンジやBluetooth機器による電波干渉にも注意が必要です。
緊急通報(110/119)や特殊番号への制限がある
050番号のIP電話は、 発信者の位置情報を送信できない構造上、110番・119番などの緊急通報へ発信できない 場合があります。
市外局番付きの0ABJ型サービスでは通報可能な場合が多いものの、0570(ナビダイヤル)やFAX送信が非対応となるケースも少なくありません。
法人利用では緊急時の連絡体制を維持するため、導入前に各番号への接続可否を確認し、固定電話や携帯回線との併用を想定した設計が重要です。
停電・災害時に通話が途絶える可能性
IP電話はルーターやONUなどの通信機器に電源を必要とするため、停電時には通話ができなくなるリスクがあります。
従来の固定電話が電話線経由で給電されていたのに対し、IP電話は自立稼働しません 。
事業継続計画(BCP)の観点では、UPS(無停電電源装置)による短時間稼働の確保や、携帯電話・モバイル回線を併用した代替手段の整備が不可欠です。

法人向けIP電話サービスの選び方
- 通話品質基準(総務省クラスA/B)
- 0ABJ番号(03・06)の対応可否と信頼性
- 必要な機能とトータルコストのバランス
- 導入・運用時のサポート体制の充実度
通話品質基準(総務省クラスA/B)
IP電話の音声品質は、総務省が定める基準によりクラスA・B・Cに区分されています。
法人利用では、固定電話と同等の品質を持つクラスA(R値80以上・遅延100ms未満)が推奨されます 。
多くの050番号サービスはクラスB(遅延150ms未満)に留まり、混雑時に音声遅延が発生しやすい点に注意が必要です。
特に営業拠点やコールセンターなど高頻度の通話を伴う業務では、クラスA対応を明示する事業者を選ぶことで、安定した通話環境を確保できます。
0ABJ番号(03・06)の対応可否と信頼性
0ABJ番号(例:03、06)は地域に紐づく市外局番であり、企業の所在地を示す信頼性の高い番号です。
特に新規取引や融資審査など、企業の信用が問われる場面では、0ABJ番号が050番号より高く評価される傾向 があります。
0ABJ番号を提供するIP電話サービスは、クラスAの品質基準を満たすことが要件とされており、音声の安定性も確保されています。
必要な機能とトータルコストのバランス
IP電話を月額料金の安さだけで判断すると、結果的に運用コストが増える場合があります。
通話録音、IVR(自動音声応答)、CRM連携、AI文字起こし、CTIなどの機能がオプション扱いの場合、追加費用が発生するため注意が必要 です。
導入を検討する際は、基本料金・通話料・オプション費用をすべて含め、5年程度のスパンで費用を試算することで、実質的なコストパフォーマンスを把握できます。
導入・運用時のサポート体制の充実度
IP電話は企業の通信基盤であり、障害発生時の対応力が業務継続に直結します。
番号ポータビリティの手続きや機器設定には専門的知識が必要なため、専任スタッフによる導入支援がある事業者を選ぶと安心で す。
また、障害対応の窓口が電話・チャット・メールなど複数用意され、対応時間が自社の稼働体制に合っているかも確認しましょう。
導入後のサポート範囲や対応品質まで比較することで、長期的な安定運用を実現できます。
専門のサポートチームが徹底支援
CLOUD PHONEの詳細はこちら固定電話からIP電話へのスムーズな切り替え手順
既存の固定電話番号(0ABJ)を継続利用する方法
現在利用している市外局番付きの固定電話番号(0ABJ番号)をIP電話へ移行する場合は、 「番号ポータビリティ(LNP)」に対応した0ABJ型IP電話サービスを選定 する必要があります。
移行前には、利用中の市外局番が提供エリア内かを必ず確認しましょう。
手続き完了後は、名刺やWebサイト、顧客管理システムなどに登録済みの番号をそのまま使用でき、取引先への周知負担を抑えられます。
なお、NTT回線からの切り替え時は契約者本人による申請が必須のため、社名変更や代表者交代がある場合は事前に名義の一致を確認しておくことが重要です。

IP電話導入前に必要な書類と手続きの流れ
IP電話を法人契約で導入する際は、番号の種類や契約形態によって求められる書類や手続き期間が異なります。
一般的には、登記簿謄本(履歴事項全部証明書)、代表者の本人確認書類、会社の印鑑証明書など、法人の実在を証明する書類が必要 です。
書類に不備があると審査や開通が遅れるため、事前に提供事業者へ提出要件と書式を確認しておくことが推奨されます。
0ABJ番号を移行するLNP手続きには通常1週間前後、繁忙期は2週間程度を要します。早期開通を優先する場合は、最短即日で利用開始できる050番号の併用も有効です。
まとめ
法人の電話環境は、固定回線中心からIP電話への移行が急速に進んでいます。
IP電話は、コスト削減や柔軟な運用性と、CRMやSFAとの連携による業務効率化、在宅勤務対応、BCP強化など多面的なメリットをもたらします。
一方で、通話品質や緊急通報制限といったリスクもあるため、クラスA基準の品質や0ABJ番号対応、サポート体制を重視した選定が欠かせません。
自社の通信要件・利用規模・将来の拡張性を踏まえ、050アプリ型・クラウドPBX型などの特徴を比較し、最適なIP電話サービスを導入することが、次世代のビジネスインフラ整備につながります。
この記事を書いたライター
Wiz Cloud編集部
WizCloud編集部メンバーが執筆・更新しています。 Web関連、デジタル関連の最新情報から、店舗やオフィスの問題解決に使えるノウハウまでわかりやすくご紹介します!